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【コラム #4-1】2倍角の公式はまず「作り方」を覚えるべし

2倍角の公式を加法定理から作る方法を解説する数学コラム

数学の公式って、覚えるのが大変ですよね。

特に高校数学の三角関数では、

  • sin2Θ\sin 2\Theta

  • cos2Θ\cos 2\Theta

  • sin3Θ\sin 3\Theta

  • cos3Θ\cos 3\Theta

など、似たような形の公式が次々に出てきます。

「とにかく公式を全部暗記しよう!」

と思ってしまう人も多いのですが、実はそれが公式を忘れてしまう原因になることがあります。

今回のテーマは、

「2倍角の公式は、まず作り方を覚えるべし」

です。


まずは、以前覚えた「加法定理」

以前のコラムで、三角関数の加法定理について説明しました。

例えば、

sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ\sin(\alpha+\beta) =\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta

そして、

cos(α+β)=cosαcosβsinαsinβ\cos(\alpha+\beta) =\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta

でしたね。

ここで、ちょっとだけ考え方を変えてみましょう。

α=Θβ=Θ\alpha=\Theta、\beta=\Theta としてみます。

すると、

α+β=Θ+Θ=2Θ\alpha+\beta=\Theta+\Theta=2\Theta

となります。

つまり、加法定理に α=Θβ=Θ\alpha=\Theta、\beta=\Theta を入れるだけで、2倍角の公式が作れます。


これだけで「2倍角の公式」になる!

まず、sinの加法定理から、

sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ\sin(\alpha+\beta) =\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta

α=Θβ=Θ\alpha=\Theta、\beta=\Theta を入れると、

sin2Θ=sinΘcosΘ+cosΘsinΘ\sin2\Theta =\sin\Theta\cos\Theta+\cos\Theta\sin\Theta

したがって、

sin2Θ=2sinΘcosΘ\boxed{\sin2\Theta=2\sin\Theta\cos\Theta}

となります。

「2倍角の公式を覚えなきゃ!」

と思う必要はありません。

加法定理で、2つの角を同じ角にすればいい。

これだけです。


cosの公式も同じ

cosの加法定理は、

cos(α+β)=cosαcosβsinαsinβ\cos(\alpha+\beta) =\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta

でした。

ここでも α=Θβ=Θ\alpha=\Theta、\beta=\Theta とすると、

cos2Θ=cos2Θsin2Θ\boxed{\cos2\Theta =\cos^2\Theta-\sin^2\Theta}

となります。

これが、2倍角のcosの公式です。

ここでも、

「新しい公式を覚えた」のではありません。

「加法定理の2つの角を同じにしただけ」

なんです。


cosの公式は3つある。でも全部覚えなくていい

ここが今回のポイントです。

cosの2倍角には、次の3つの形があります。

cos2Θ=cos2Θsin2Θ\cos2\Theta =\cos^2\Theta-\sin^2\Theta cos2Θ=2cos2Θ1\cos2\Theta =2\cos^2\Theta-1 cos2Θ=12sin2Θ\cos2\Theta =1-2\sin^2\Theta

「3つも覚えないといけないの?」

と思った人。

大丈夫です。

まず覚えるのは、

cos2Θ=cos2Θsin2Θ\boxed{\cos2\Theta =\cos^2\Theta-\sin^2\Theta}

これだけでOKです。

あとの2つは、三角比の基本公式である

sin2Θ+cos2Θ=1\sin^2\Theta+\cos^2\Theta=1

を使えば作れます。


例えば、2cos2Θ12\cos^2\Theta-1を作ってみよう

まず、

cos2Θ=cos2Θsin2Θ\cos2\Theta =\cos^2\Theta-\sin^2\Theta

です。

ここで、

sin2Θ=1cos2Θ\sin^2\Theta=1-\cos^2\Theta

を代入すれば、

cos2Θ=cos2Θ(1cos2Θ)\cos2\Theta =\cos^2\Theta-(1-\cos^2\Theta)

となります。

整理すると、

cos2Θ=2cos2Θ1\cos2\Theta =2\cos^2\Theta-1

できました。

同じように、

cos2Θ=12sin2Θ\cos2\Theta=1-2\sin^2\Theta

も作ることができます。

つまり、

「3つの公式を丸暗記」ではなく、「1つの公式から必要な形を作る」

という考え方です。


そして、3倍角も同じ考え方で作れる

ここまで分かったら、もう一歩進んでみましょう。

実は、3倍角も加法定理から同じように作ることができます。

例えば、

α=2Θ,β=Θ\alpha=2\Theta,\qquad\beta=\Theta

としてみます。

すると、

α+β=2Θ+Θ=3Θ\alpha+\beta =2\Theta+\Theta =3\Theta

です。

例えばsinの加法定理なら、

sin(2Θ+Θ)=sin2ΘcosΘ+cos2ΘsinΘ\sin(2\Theta+\Theta) =\sin2\Theta\cos\Theta +\cos2\Theta\sin\Theta

となります。

ここに、すでに知っている2倍角の公式を入れて整理していけば、3倍角の公式を作ることができます。

つまり、

加法定理は、2倍角の公式を作るだけのものではありません。

知っている角度の組み合わせを考えれば、3倍角の公式も作れるわけです。

「3倍角の公式を覚えなきゃ!」

ではなく、

「加法定理を使えば作れる」

と考えておきましょう。


「公式を覚える」のではなく「公式に戻れる」ようにする

数学では、公式をたくさん暗記している人が必ずしも強いとは限りません。

むしろ、

「忘れても自分で作れる」

という状態のほうが強いです。

2倍角の公式を忘れてしまったとしても、

「そういえば、加法定理で2つの角を同じにすればいいんだった」

と思い出せれば、

sin2Θ=2sinΘcosΘ\sin2\Theta=2\sin\Theta\cos\Theta

や、

cos2Θ=cos2Θsin2Θ\cos2\Theta =\cos^2\Theta-\sin^2\Theta

を自分で作ることができます。

さらに、

sin2Θ+cos2Θ=1\sin^2\Theta+\cos^2\Theta=1

を使えば、cosの別の形も作れます。

そして、3倍角が必要になったら、

2Θ+Θ2\Theta+\Theta

と考えて、加法定理を使えばいい。

こう考えると、公式が少し身近に感じられませんか?


そして、最後は「使う」

ここまで説明すると、

「じゃあ、公式を全部覚えなくてもいいんだ!」

と思うかもしれません。

もちろん、最終的には自然に使えるようになっているのが理想です。

でも最初から全部を完璧に暗記する必要はありません。

最初のうちは、

加法定理 → 角を同じにする → 2倍角

という流れを何度も確認してください。

さらに、

加法定理 → 2Θ+Θ2\Theta+\Theta → 3倍角

という使い方も知っておきましょう。

問題を解いているうちに、

「この形、2倍角の公式だな」

「ここは 2cos2Θ12\cos^2\Theta-1 の形にしたほうがいいな」

と判断できるようになってきます。

そうなれば、公式は「覚えた」というより、使っているうちに自然と頭に入ってきた状態になります。


さて、2倍角の公式から「半角」も作れる?

ここまで読んできた人なら、こんなことを考えるかもしれません。

「2倍角の公式が作れるなら、逆に角度を半分にすることもできるんじゃない?」

その通りです。

例えば、

cos2Θ=2cos2Θ1\cos2\Theta=2\cos^2\Theta-1

という2倍角の公式があります。

これを変形すると、

cos2Θ=1+cos2Θ2\cos^2\Theta=\frac{1+\cos2\Theta}{2}

と表すことができます。

ここで、「じゃあ、角度を半分にしたらどうなる?」と考えてみましょう。

すると、cos2Θ2\cos^2\frac{\Theta}{2}を求める公式が作れそうですね。

つまり、

2倍角の公式を使って、半角の公式を作ることができる。

というわけです。

「公式は全部覚えるもの」と思っていた人には、ちょっと意外かもしれません。

でも、ここまでの話を思い出してください。

知っている公式を使って、新しい公式を作る。

これが今回のコラムのテーマです。


まとめ

今回覚えてほしいのは、2倍角の公式を全部丸暗記することではありません。

まずは、この流れを覚えよう!

① 加法定理を思い出す

② 2つの角を同じにする

③ 2倍角の公式ができる

sin2Θ+cos2Θ=1\sin^2\Theta+\cos^2\Theta=1を使えば、cosの別の形も作れる

そして、3倍角なら、

① 加法定理を思い出す

2Θ+Θ2\Theta+\Theta と考える

③ 3倍角の公式を作る

という具合です。

この考え方が身についていれば、公式を一時的に忘れてしまっても大丈夫。

そして、普段から問題を解いて使っていれば、いつの間にか公式そのものも覚えていきます。

最初だけ、ちょっと頑張りましょう。

「公式を覚える」よりも、

「公式の作り方を覚える」

これが、数学を楽にするコツの一つです。

次回は、この2倍角の公式を使って、半角の公式を作ってみましょう。

 


数学を「覚える」だけでなく「理解して使える」ように

数学の公式は、ただ暗記するだけでは、少し時間が経つと忘れてしまうことがあります。

大切なのは、

「なぜその公式になるのか」
「どの公式から作ることができるのか」
「問題の中でどう使うのか」

まで理解することです。

KATEKYO学院 青森古川校では、公式をただ覚えるだけではなく、一人ひとりの理解度に合わせて、数学の考え方から丁寧に指導しています。

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そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。

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