2024年8月28日
皆様こんにちは、青森浪打校教務主任の直井です。
KATEKYO青森のホームページでは
県内のスタッフが毎日代わる代わるちょっとした記事を書いています。
今日は私直井が担当している記事を紹介します。
(前回はこちら)
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「イケメン」は「イケてないメン」がいないと存在し得ない。
なぜなら、「イケてる」という概念は「○○よりもイケてる」という対比で成り立つからだ。
人それぞれ理想の「顔」があったとして、その平均値/中央値が「イケメン」だ、という考えもあるが、話の本筋からズレるので今回は割愛する。)
もし、世の中の男性の顔が全員「絶世のイケメン」顔で統一されたら、
それは絶世のイケメンではない。
「絶世=この世にまたとない」の意が成り立っていないからだ。
人はある関連性のある事象と事象を対比することで、そこに価値を見出す。
『旧約聖書』でアダムとイヴは知恵の実を食べ、お互いの身体の差異に気付き、それを恥ずかしいと思い身を葉などで隠す。しかしその隠されたものをやがて愛しいと思い、愛し合う。
差異に気付き、それを対比し解釈することで我々はそこに意味や価値を見出す。
「対比」は論理的思考の基礎であるといえる。
この「対比」という思考法はさらに、
見えていないものまで見えるようにする働きがある。
例えば、中身の見えない2つの宝箱のどちらかに宝石を入れたとして、
片方の宝箱を開けて中身が空であれば、
「ああ、もう一つの宝箱の中に宝石があるのか」と
中身を確認せずとも理解することができる。
中学理科で習う「被子植物」「裸子植物」も、
お互いを対比して性質を理解している。
性質の違いでグループ化すれば、目の前にある芽を出した植物が
今後どのような姿で成長していくかも大体予想することができる。
物事を対比して考えていくことは論理的文章においては基礎中の基礎である。
そのような論理的文章では、個々で対比させるだけでなく、
全体の大枠で対比して論を展開していくことが多々ある。
欧米/日本、近代/現代、人工/自然、抽象/具体、通念/筆者の意見など、
大枠で2つの事象を対立させて論を展開する構造、
つまり「二項対立構造」が見えると、物事の理解がスムーズになる。
例えば、以下の論理を考えてみよう。
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日本人はマスクを着用することに抵抗はないが、
サングラスの着用は「怖い人」というイメージがあるのはなぜだろうか。
日本人は感情を目から読み取る、と言われている。
これは日本が感情を包み隠す「謙虚な文化」が、
感情の機微が伝わりやすい目を注目させるようにした、という意見がある。
だから、日本の絵文字は(><)や(;;)など、
感情を「目」で表現するものが多い。
一方、欧米人は感情を口から読み取ると言われている。
陸続きで他国とつながる国でははっきりと感情を言わないと相手に伝わらない。
だから口の動きが感情を知るに一番重要なのだ。
海外の絵文字は :-) :-D :-( など、口で表現する。
このことは、欧米人でサングラスをかけている人を多く見かけること、
また、コロナ期でマスク着用が徹底されず、
なかなかパンデミックを抑えられなかった、ということからも、
米人が目よりも口が可視化されていることを好んでいると言えるだろう。
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これも日本文化/欧米文化の二項対立を、様々な事象の対比から考えている。
対比が因果関係を作るのである。
個々の対比ができることが論理的文章読解の第一歩だが、
さらに先に進む人も、文章全体の「二項対立構造」を意識して読んでみてほしい。
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このように、現代文を解くのはセンスではなく、
論理的思考が求められている、と気付くことが重要です。
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