2024年10月25日
皆様こんにちは、青森浪打校教務主任の直井です。
KATEKYO青森のホームページでは
県内のスタッフが毎日代わる代わるちょっとした記事を書いています。
今日は私直井が担当している記事を紹介します。
前回の記事は▶こちら
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現代文の基本中の基本、「具体例は書かない、カットする」
ということは小学生にも中学生にも、そして大学受験をする君たちにも
口酸っぱく指導をしている。
指導をしていると、感じることがある。
「あれ、意外と“具体"例がいったいどの文を指すのか、わかっていないんじゃないか?」
今回は“具体"という言葉について掘り下げていこう。
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「具体」は「体(たい・てい)を具(そな)える」と書く。
つまり、「具体的なもの」とは第一に“物体"として存在するもの・“実体"があるものであり、
転じてそれぞれを個別なものとして人間が認知・知覚できるものともいえる。
一方、具体の対義語である「抽象」は、「対“象"からある性質を“抽"出する」と書く。
ゆえに、「抽象的なもの」とは、対象から本質を抜き出したものであり、一般化されたものである。
私たちが対象を抽象化し、一般化していくことで、洗練された思考が可能になっていく。
だからこそ、論理的思考には「抽象化」の能力は必要不可欠だ。
コーヒー豆を挽いたものにお湯を入れ、コーヒーをドリップするとき、
残った“ガラ"を捨てるように、
抽象をするということは必ず別の性質を捨てることになる点もおさえておこう。
これを捨象という。
論理的文章の要約や記述では、解答をいかに捨象し、
必要不可欠な内容だけを過不足なくまとめることが問われている。
受験生がどれほど抽象的な議論が可能であるかの思考レベルを問われていると言ってもよい。
もちろん、難度が高い設問だからこそ、記述問題が採用されている大学は少ない。
では選択肢問題であれば「ただ選ぶだけ」だからと、記述問題で必要とされるような思考が必要ないか、と言われると全くそんなことはない。
聞かれていることに対して端的で過不足ない答えを見抜く能力は、記述でも選択問題でも共通の能力が必要だ。
最近の共通テストでは、英語(リーディング)でも、opinion/factを見抜き解答する問題もある。
具体から捨象を行い、抽象化していく能力を磨いていこう。